過労 休職 復職の心得

激務に倒れた30代エンジニア系SEが、働き方を変えるまでの体験記

思考力の回復

過労の人がいかに「考えられない」かの実例。思考力はここまで低下する

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過労というのは言わば状態異常です。気力・体力、思考力、ストレス耐性、精神力など、あらゆるパラメータが通常時の半分以下になっていると思って間違いがありません。

特に思考力の低下は下がり幅が大きい。いつもなら無意識レベルでできる簡単な計算やコミュニケーションさえ一苦労するレベルに落ち込みます。

このページでは思考力の低下について、言葉と計算能力の点から、私の実体験をお話したいと思います。

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問いかけへの返答が遅い

まず、問いかけに対するレスポンスが非常に遅くなります。

何かを問いかけられたとき、頭のなかでは

  1. 言葉を聞く
  2. 質問の意図を理解する
  3. 自分の考えをまとめる
  4. 言葉を選ぶ
  5. 口に出す

という処理を一瞬で行い、答えを返すものです。

しかし、過労状態の頭はそれができません。1ステップずつゆっくり処理しないといけないんです。要するに、頭の回転が非常に遅くなります


『ねえ、お歳暮なにがいいと思う?』

「・・・」(あ、こういう質問をしてるのね。意図は・・・こうかな・・・?)

「えーと」

「・・・」(コレについては・・・うん・・・こう考えよう)

「・・・」(うまい言葉・・・・よしこうしよう)

「うどんが好きだと思うよ」

『うどんね』


というイメージです。頭のなかではいろいろ考えているんですが、とにかくスピードが遅い。

考えがペラッペラに浅い

思考のスピードが遅くなると同時に、思考の質も低下します。

私が過労で休職する直前のことです。職場の上司ととある課題について議論する機会がありました。


『この課題の根本原因はなんだと思う?』

「そうですね、Aの視点からはXXXですし、Bの視点からはXXXなので、XXXだと思います」

『そんなの一瞬考えれば誰でもわかるファクトじゃないか。そうじゃなくて、もっと根本的なやつ』

「そうですね・・・」

「・・・」

『おまえ大丈夫か?いつもより3段階くらい考えが浅いぞ』


何を隠そう、これが上司が私の過労に気づいたきっかけでした。

SEという仕事柄、パズルを解くようにものごとを論理的にカチャカチャ考えることが求められます。

しかし、それができませんでした。そして休職期間中、思考力の訓練をするまではずっとそんな状態が続いていました。

必要以上に素直になりすぎる

思考のスピードの質は、いわゆる処理とアウトプットの話でした。次はインプットの話です。

誰かから何かを言われた時、批判的なものの見方ができず、必要以上に素直になんでも信じてしまうようになりました。

たとえば国が「効能は水分補給のみだ」とお墨つきを受けたエセ科学商品の代表格「水素水」。

水素水が流行り始めたのは、ちょうど私は過労で休職し始めた時期でした。

そのとき私は話題になっている水素水を見て「なんだか話題だしすごいんだろうなあ」と本気で思ってしまいました。

それ本当?というスタンスなく、言われたことを言われるままに、考えなしに受け止めてしまっていたんです。思考停止とはまさにこのことです。

お釣りの計算ができない

影響があったのは言葉だけではありません。計算の精度もガクッと落ちます。

たとえば私は、お釣りの小銭の枚数を減らすための計算で計算ミスを繰り返すようになりました。

10円玉を1枚多く渡してしまってお釣りとしてそのまま返ってくる。もしくは計算を間違えて10円玉が4枚返ってくる。

そういったことを繰り返しては、少し恥ずかしい思いをしたのをよく覚えています。

普段ならささっとできるような簡単な計算すら、過労の人は精度が落ちるんです。

思考力の低下は過労の兆候にも現れる

こういった変化は人から見てもわかるもの。

こちらのページで過労の兆候について書かせていただいていますが、もしまわりに

  • 問いかけへのレスポンスが遅い
  • 考えが浅い
  • 普段ならしないような計算間違いをしてしまう

といった人がいたら、過労の可能性を疑って休ませてあげてください。

まとめ

過労は驚くほど思考力を奪います。そんな状態で仕事をしても成果なんて出ません。

ただ時間が過ぎていき、本来取るべき睡眠や休息の時間を理不尽に奪います。

過労状態で1時間考えるより、スッキリした頭で5分考えるほうがはるかに生産的なんですから。

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