過労 休職 復職の心得

過労で倒れ、休職、復職した30代SEの場合

ストレス耐性の回復

復職で失敗しないため絶対に必要なストレス耐性トレーニング

更新日:

過労で休職した人が復職するにあたり避けて通れないのが、ストレス耐性の回復です。

療養を通じて気力と体力を、知的生産のトレーニングを通じて思考力を回復したとしても、職場で働くとなるとまた別のストレスがかかるもの。

ここでは復職にあたって必要なストレス耐性のトレーニングについて、全体像を整理してみたいと思います。

休職・療養中と全く異なる「職場で仕事」という環境

過労で休職・療養している間、復職に向けた取り組みの一環として思考力のトレーニングを行います。

思考力トレーニングを上手に積んでいくと、ゆくゆくは実務とほぼ同じレベルの課題に取り組むことができるようになります。

思考力トレーニングについては下記記事で詳しく解説しています。

鈍った思考力をさらにシャープにする「知的生産」の練習方法

脳に十分に血を巡らせるや準備運動や、考えを言葉にする脳の筋トレのお話をしました。 次はより仕事の実践に近いトレーニングをする番です。 ここでは仕事の所作の基本である知的生産に焦点を当てたいと思います。 ...

続きを見る

しかし、思考力が回復てもすぐ復職できるわけではありません。

「休職中の1人作業」と「職場での仕事」は、下記3点で環境が全く異なるからです。

  1. 通勤の有無(出勤、退勤)
  2. 雰囲気の違い(オフィスの空気感)
  3. 人との協働(議論や交渉)

「会社で仕事をする」とは、これらのストレス源に耐えながら高度な知的生産を行うことを指します。

復職に向けて、各ストレス源に耐えるトレーニングをしておきましょう。

通勤のストレス

1つ目のハードルが、通勤のストレスです。

たとえば通勤電車。思い出すだけでも嫌ですよね。

満員でぎゅうぎゅう詰めの社内。ロクに身動きは取れない。立っているだけでもやっと。つり革をつかむ手は筋肉痛。
足を踏まれる。隣の人のカバンがあたって痛い。手すりに体を押し付けられて息が苦しい。
目の前のリーマンが汗臭い。イヤホンから漏れ聞こえてくるシャカシャカ音がうるさい。
ドアが開いているのに一度ホームに降りようとせずドアの脇にへばりつく人。突然言い合いを始める人。後ろから聞こえてくる舌打ち。

クソみたいな環境で心も体も消耗してしまうのが通勤電車です。

会社で仕事をするには、朝はこのような通勤電車に乗り、帰りに同じレベルの帰宅ラッシュを耐えなければなりません。

オフィスの空気感のストレス

次のハードルが、オフィス独特の空気感のストレスです。

会社のオフィスってなんだかピリピリしてるし、居心地悪くないですか?

チカチカした蛍光灯。無機質でやわらかみのない屋根やカベ。ホコリっぽいこもった空気。
鳴り響く電話の音。「ッターン」というキーボードの打鍵音やマウスのクリック音。
後ろから聞こえる急かすような指示出しの声。オープンスペースから聞こえる、けたたましいディスカッションの声。
ガタガタのイスに座り、ヒヤリと冷たい机の上を見てみると、くすんで汚れ、少しだけヌメっとしている。

私のいたプロジェクトではさらに、肩と肩が触れそうになるくらい席の間隔が狭かった。

オフィスという環境は、1人でカフェ作業をする時のようにリラックスできる環境では決してありません。

そんないるだけでストレスになりそうな場所で高度な知的生産を求められるのです。

会話や議論、交渉のストレス

最後のハードルは、コミュニケーションです。

議論や交渉はもとより、過労で休職していた人にとっては何気ない会話や雑談もストレスの元になりえます。

考えてもみてください。仕事なんです。苦手な人や嫌いな人とだって話さなければなりません。

「話すの苦手だなあ」と思う人とも、業務上必要であれば狭い会議室で2人サシで話すことになるんです。

気難しくて首を縦に振らない客とも話すことになるでしょう。調整や交渉といった、利害が一致しない状態で方向性を探るという高度で疲れるコミュニケーションだって必要です。

もうそれだけでもストレスですよね。

復職で失敗しないために絶対に必要なストレス耐性トレーニング

通勤、職場の雰囲気、そして人との協働。

復職するとこれら「会社で仕事をする」こと自体によるストレスが一気にやってきます。

これらに十分耐えられるよう、復職前にトレーニングを積んでおきましょう。

通勤の練習

1つ目は、通勤の練習です。

通勤・退勤時間帯のラッシュのストレスに耐えるため、少しずつ通勤電車に頭と体を慣れさせていきます。

最初は空いている車両や時間帯を選び、短距離の移動から始めます。

慣れてきたら混んでいる車両や時間帯を選ぶようにする、距離を伸ばすなど、ハードルを上げていきます。

最終的にはあえて満員電車に乗ってみるなど、自分に負荷をかけるテストを繰り返していきます。

ただし体調優先であることを忘れずに。
気分が悪い、頭がボーッとするなど、過労の症状や兆候に近いサインが現れえたら、無理せずに一度降りてベンチで休むようにします。

私が行った具体的なトレーニング方法はこちらのページでご紹介しています。

復職に向けた、通勤電車や通勤ラッシュのストレスに耐える練習の方法

過労で休職した人が復職に向けて必ずこなすべきトレーニングの1つが、通勤のトレーニングです。 復職≒会社で仕事をする、です。通勤できること、通勤後にも十分に頭が働くことは、復職のための大事な前提条件です ...

続きを見る

オフィス的な雰囲気で作業をする練習

1つ目は、オフィス的な雰囲気で作業をする練習です。

カフェや家などリラックスできる場所ではなく、オフィスライクな場所で作業してみましょう。

ただし本格的なオフィススペースとなるとちょっと高いお金を払わなければあなりません。

なので私はオフィス街のカフェや図書館の勉強スペースをオフィスに見立てて練習しました。

オフィス街のカフェはビジネスマンが仕事しに立ち寄ったりちょっとした会議をしていたりするので、練習にうってつけです。

また図書館の勉強スペースはカリカリした雰囲気がオフィスに似ているので練習になりやすいです。

より具体的な練習方法や詳細を下記ページで紹介しています。

復職に向け、オフィスや仕事場の雰囲気ストレスに耐える練習方法

復職後はオフィス(仕事場)で仕事をすることになります。 この「オフィス(仕事場)」というのがまたストレスの元なんです。 みな必至に仕事に打ち込む言わば戦場ですから、その雰囲気はとっても特殊。 過労で休 ...

続きを見る

人との会話、議論、交渉の練習

最後に、人との協働(会話、議論、交渉)の練習です。

これはさすがに1人ではできませんので、

など、最初はとにかく自分と相手で会話のキャッチボールをする機会を増やしていきます。

慣れてきたら意識の高い友人とディスカッションするような場を設けてもいいかもしれません。

私の行った具体的なトレーニングを下記ページで紹介しています。

復職に向け、人との会話や議論、交渉のストレスに耐える練習の方法

復職に向けたストレス耐性トレーニングで忘れてはならないストレス源が、コミュニケーションによるストレスです。 ほとんどの仕事はコミュニケーションや協働が必要です。 何気ない会話だけでなく、議論や交渉など ...

続きを見る

ストレス耐性トレーニングを行う際の注意点

最後に、これらのストレス耐性トレーニングをやる際に注意したいポイントをご紹介します。

あくまで無理のない範囲でやること

ストレス耐性トレーニングは、自分にストレスをかけることで耐性を強化するトレーニングです。

よって、やっていると疲れますしイライラします。

下記ページで紹介した思考力トレーニングのオーバーワークを防ぐ方法を参考に、自分に無理のない範囲で、あくまで体調優先であると肝に銘じましょう。

やりすぎは逆効果!思考力トレーニングのオーバーワークを防ぐ方法

過労で弱った思考力を仕事で使えるレベルまで回復するには、意図的な訓練が必要です。 これまで下記2つの訓練についてお話してきました。 「言葉」トレーニングによる基礎力(筋トレ) 「知的生産」トレーニング ...

続きを見る

人に迷惑をかけないこと

ストレス耐性トレーニングの中で「人との協働」の練習だけは異質です。

通勤電車やオフィス環境のストレス耐性トレーニングは1人でできますが、「人との協働」トレーニングだけは人の助けが必要だからです。

そのため、たとえば友人と話す機会を設けるなら、会う約束をする際に、「XX時までしかいられないけど大丈夫かな」など事前に時間を区切っておくと安全でしょう。

雨や寒さなどの気候条件を甘く見ない

雨の日や寒い日はストレスに弱くなりがちです。

暖かく晴れ渡った気持ちのいい日なら耐えられるストレスでも、雨の日や寒い日では耐えられなくなることが多いもの。

気候によって自分のストレス耐性は上下する事実を忘れずに、トレーニングの重さを調整するようにしてください。

雨や寒さでどれくらいストレス耐性が変わるか、私の場合の具体例をこちらのページで紹介しています。

雨や寒さで気が滅入る…ストレス耐性への影響が大きい気候条件

ストレス耐性について考える際、見落としがちなのが気候条件です。 人によると思いますが、私の場合は雨の日や寒い日は気が滅入りやすく、ストレスに弱くなりました。 天気が悪い日はストレス耐性トレーニングの負 ...

続きを見る

まとめ

以上、復職に失敗しないためのストレス耐性トレーニングとして

  1. 通勤の有無(出勤、退勤)
  2. 雰囲気の違い(オフィスの空気感)
  3. 人との協働(議論や交渉)

という3つの点から、トレーニング方法をご紹介しました。

気力や体力、思考力が元に戻ったからといって、そのままの勢いで復職に踏みきると意外なところからのストレスで潰れてしまう可能性があります。

慎重にトレーニングを重ね、再休職や離職といったリスクを避けられるようにしていきましょう。

  • 管理人について
J

J

30代SE、妻子持ち。過労で倒れてから10ヶ月間の休職を経て復職まで、辛い経験のなかで得たものをすべてを本サイトに置いていきます。 詳細プロフィールはこちら

よく読まれているページ

1

休職により収入が減ったとしても、生活を続けるにはお金が必要です。 入ってくるお金が減った以上、出て行くお金も減らさないと立ちゆかなくなってしまいます。 しかし、この状況を嘆く必要はありません。逆に支出 ...

2

あなたの収入源はなんですか? もし会社からの給料だけなら、リスクが高い状態と言わざるをえません。 そう言いきる理由と、会社へ依存するリスクを避けるためにすべきことを紹介します。 目次1 会社で仕事をし ...

起こってノーを言っている人 3

私が過労に陥った直接の原因は連日の深夜残業でした。 「客のためだから」を錦の御旗に、期限内に求められるアウトプットを出すべく、それこそ身を粉にてリソースをぶち込んできました。 しかしよく考えると、身を ...

-ストレス耐性の回復

Copyright© 過労 休職 復職の心得 , 2017 All Rights Reserved.